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「ラウサン」再び

2000年7月

El Caballero--- repite

「ラウサン」再び

photo01 フリオ・ヒメネス、オズワルド・リオス、ロナルド・アヤソが固い絆で結ばれた:『ラウサンの紳士』三人と昔、そして現代について語る
byジェニイ・ガメス・アルフォンソ  写真レオ・クイーン

 21年前、脚本家フリオ・ヒメネスを世に知らしめたテレビドラマが、国を虜にした。主役はメデジンのラジオのアナウンサー、ロナルド・アヤソで、彼の共演者である二人の若い女性、ジュディ・エンリケスとルセーロ・ガリンドが、ドラマの中で、謎めいた男の愛をめぐって争う。彼の執事、エルナンド・カサノバだけが、彼の主人がカタレプシー(強硬症)の病に冒されていて、いつでも生きたまま埋葬されかねないような仮死状態に陥ることを知っている。

この物語はあまりにも人々を虜にしたので、午後8時かっきり『ラウサンの紳士(エル・カバジェーロ・デ・ラウサン)』のドラマが始まると、ビジネスマンも使用人も主婦も、みな自分の義務を忘れてしまったほどだ。

しかし、ドラマをつくるためにカメラの後ろでベルナルド・ロメロに命令されたプロデューサーたちが忙しさに耐えていたことは誰も想像だにしなかった。たとえば、グラビィのスタジオの前に停められたトラックが、三十分ごとに光の強さでしおれた草を運び込んでいた。ラウサンの紳士がどしゃぶりのなかを散歩しようとすると、スタジオは水浸しになり、出演者たちは風邪をひいた。爆発のたびごとに、室内の煙が消えるまで作業ができず、撮影は何時間も遅れ、主人公の四輪馬車が通るエレガントな通りは、布でつくられ、登場人物の後ろに設置され、長セリフを言うワンシーンの間ずっと動かされていたのだ。とても献身的な作業に対する謝意がたくさんよせられ、このドラマは、1979年末メデジンでフェルナン・マルティネスの手で全キャストに贈られた最も重要な「アンテナ・デ・コンサグラシオン」賞を含め、あの時代のほとんどの賞を総ナメした。あの頃、ヒメネスの第三作にすべての栄光が集まった。おそらくそのために、21年後にRTIはそれを再生させようと固執し、実現したのだ。

新しいいくつかのシーンはもう撮影中で、みながその作業に忙しくとりかかっているかたわらで、CROMOSは、『ラウサン1(ロナルド・アヤソ)』から『ラウサンの紳士2(オズワルド・リオス)』へと不思議な名前と、富、女性と借金にいたるまでの、異例の相続の証人となりたい。


『ラウサンの紳士1』

 1979年と同じようにマントは重く、ロナルド・アヤソの最初の衣装合わせは全てが完璧だと思われた。ロケーション以外はかつての『ラウサンの紳士』にそっくりであった。もうアヤソは結末を覚えていないが、ルセーロ・ガリンドの役柄と結婚し、ジュディ・エルニリケスが演じた女性をずっと愛しつづけたはずだ。そして彼の役の、カタレプシーの驚くべき発作もよく覚えている。

「私はその病気を理解するため神経精神病学の辞書を読んだし、本当に死んだようにみせるために、監督ファビオ・カメーロが望んだ最初のショットで、あらゆる顔の表情を制御することを学ばなければならなかった。
アヤソ、またはラウサン1は、このドラマは二つの理由で成功したと述べた。「あの時代にとってあれは超大作だったし、ロマンスのかわりに病気のミステリーに着目したこと、あれはセンセーションで、古典的なメキシコのドラマとは違ったんだ」
彼は二つの作品が比較されるのは避けられないことだとわかっているが、今回のバージョンが有利だと信じている。なぜなら
「20年前にこれを見た人もこの新しいバージョンを誉めるだろう、それはもう保証する」

それが2作目へと残す『ラウサンの紳士』の帝国の遺産だが、その言葉以外は俗っぽい。「息子よ、私の富と女たちと負債をおまえに残そう。若さの衝動に流されてはいけない、特に結婚式の夜は忍耐強くなりなさい。夫婦は次の日まで愛し合うのだから。その夜おまえは、ウエディングドレスをめちゃくちゃにするのに忙しいだろう」

photo02

『ラウサンの紳士2』ずっと愛しつづけた

 しつこいようだが、RTIが『ラウサンの紳士』の新バージョン制作を提案したとき、オズワルド・リオスを主役にするよう固執したのはフリオ・ヒメネスその人だった。2ヶ月以上前、彼自身が勝ち組の作品と称するテレビドラマのワンシーンを撮影しているとき、リオスはこう言った。
「フリオはラテンアメリカの優秀な作家の一人で、彼に良い制作チームとちゃんと仕事をするキャストが加わるなんて、それはすばらしいオファーだよ」

 リオスはまるで企業家のようにものを考える。だからこそ彼の共同経営者、RTIも『ブランコの未亡人(ラ・ビウダ・デ・ブランコ)』、?彼が主役を演じたドラマ?のあとで、21年前と同じように、成功をかけた商業的に大きなチャンスをつかんだのだ。
リオスが成功を保証する第一の理由は、科学的だ。
「愛とは普遍的な法則?集団の無意識を支配する塩みたいなものだ。全人類の遺伝子の記憶にくみこまれていて、こんなふうにとても強い典型例を見せられると、人は受け入れずにはいられない」

 この第2作に関し、メキシコのチアパス州でリオスはある経験をしたのだが、偶然知り合ったコロンビア人が、アヤソが主演したドラマのすばらしさについて彼に語り、あれは偉大な物語だったと断言した。現在彼は18世紀末のエレガントな衣装に身を包み、カタプレシーの病気について資料をあつめながら満足していて、このドラマが今年のヒットになることを望んでいる。


偉大な紳士

 フリオ・ヒメネスはこの仕事をはじめたばかりの三十年前、マスコミのあらゆる仕事をしていた。だからこそ現在、そういう仕事は、彼の脚本に命を与える人々にまかせたがるのだ。しかし今回、この彼の高貴な紳士の場合、その固執ぶりは例外的だった。でも彼の古い作品の新バージョンについて、語ることはあまりない。数年前に、フェリペ・ペレスの物語を一つ脚色しただけで、その仕事はベルナルド・ロメロにゆだねたし、現在は脚本を監督するだけにとどまっている。
今は休暇の年で、彼いわく“牢獄”?つまり18ヶ月以上も助けなしに新しいドラマを執筆すること?に戻る前に、米国やマドリード、モロッコへ旅する計画だ。

このように、ヒメネスを理解するには、彼や批評のほかの面にも注意しなければならない。ヒメネスは若い俳優たちの個性のなさや声にまで文句をつけ、よい監督に出会う困難さを語り、テレビで働くスターたちの気取り、国についてまで批判する。彼はコロンビア人に関し、「われわれはねたみやすく、無関心で、体制順応主義者で、連帯感に欠け、記憶力がない」と信じている。そして確信をもって言う。
 「われわれはたっぷりの皮肉に耐えられるだけのものをもっている。本を書くことと笑うことで、全てはうまくいくのさ」ヒメネスは影の黒幕だ。彼は二十年たった今も、ラウサンの帝国の創始者であり続けている。


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