同放送局の各種プロジェクトを分析した結果、彼のカムバックは大作「怪傑ゾロ:剣とバラ」に決定された。
(リオスは)テレビドラマの収録地コロンビアで9ヶ月間が経過した時点で、Telemundo 放送の専属俳優人材登録に3年間契約でサインした。
これまでカメラの前から完全に姿を消したことはなかったリオスだが、今回の配役についてはテレビドラマへの復活と認識している。保守的かつ冒険家のスペイン人軍人・アレハンドロ・デ・ラ・ベガ役を演じることで、リオスはテレビ上同役「初役づけ」のチャンスを掴んだ。60歳男性を演出するため、声のトーンや外見を変えることも必要となった。
オズワルド・リオス 運はアレハンドロの手中に
コロンビアへの出発前夜、オズワルド・リオスは息子ヒウリアーノと夕食に出かけた。テレビドラマのプロモーション記事を参照のこと。
「怪傑ゾロ」シーン(提供)マリア・I・ベガ/ mvega@elnuevodia.com
新企画「怪傑ゾロ:剣とバラ」収録のため10ヶ月間滞在予定のコロンビアへと向かう前夜、オズワルド・リオスは息子ヒウリアーノと夕食に出かけた。ヒウリアーノは父の出発に幾分悲しげな表情だった。
にもかかわらずヒウリアーノは父の大仕事への激励を忘れない。
「パパ、ナイフを口にコロンビアに行って、みんなを斬って(レトリック的な意味で)。ビッグになって帰ってくるチャンスだね」−リオスは当夜を思い起こして語る。
息子の言葉は予言となった。つまりTelemundo が10月放送予定のプロジェクトは、ラテン系プロダクションでも一番大きな成功を収めることとなったのである。
「怪傑ゾロ:剣とバラ」でリオスが演じるのはアレハンドロ・デ・ラ・ベガ役。スペインの由緒ある家庭に生まれた将校で、ペルー人俳優クリスチャン・マイヤー扮するディエゴ(怪傑ゾロ)の父でもある。
テレビで演じたことはなかったので、この役をどうかと言われた時は、正直ちょっと驚いた。これまでずっと自分の外見に見合った役柄ばかりやってきたから、ソニーやTelemundo、RTI などのプロジェクトプロドゥーサーがドラマのこの配役を自分にどうか、と言ってきた時には「でもそれってアンソニー・ホプキンスが映画でやった役でしょう?」と言ってしまった。すると彼らはそう、と。
「でも自分より20歳も上の役だが」と言ったら、「そうだね、でも君にやってほしい」との答えが返ってきた−とリオスは語る。
リオスはこの挑戦を後悔していない。22年に及ぶキャリア・俳優経験の中で一番充実し満足感あるもの、と考えている。
「怪傑ゾロ:剣とバラ」は高画質ビデオで全収録されたラテンアメリカ初のテレビドラマであるから、俳優たちにとっても従来の収録と比べて相違点がいくつかある。
「大部分のシーンではHD(高画質)カメラを多く使用したため、多大な努力を要した。つまり、このフォーマットで収録する時には、6、7あるカメラのひとつの枠から自分がたとえ1ミリはみ出るとカットになってしまい、また一からすべてやり直さなければいけない」と俳優は語る。
また、画像の線明度はメイクのテクニックをも要求してくる。事実、ひとつの役を演じる場合、6日間の収録にも1時間以上はメイクに要する。皺を強調したり、髪を白く染めたり、表情を調整するためにラテックスを小づけにしていく。さらにリオスはエレガントな紳士になりきるため、歩き方や声のトーンなどにも変化をつけている。
ラテンアメリカで収録された最もコストの高いテレビドラマとなったのには、収録方法のみならずその他の要素も起因している。
「怪傑ゾロ」はコロンビアの各地で収録された。出演俳優人やプロダクションスタッフが3、4時間かけて移動した後、13〜14時間の収録に入ることも何度かあった。だから通常のテレビドラマで俳優一人当たりのコストが3〜5万ドルなのに対し、今回122章の製作にはおよそ15万ドルの経費がかかった。
またヒウリアーノと恋人兼俳優のイベリン・ヒロの来訪も、リオスには大きな喜びだった。ヒウリアーノとイベリンは一時期をコロンビアでリオスと過ごしたのだが、ドラマにも出演する機会を持った。ヒウリアーノは奇しくも、アレハンドロ・デ・ラ・ベガに総督の権威を与えるハコボ伯爵役でデビューを飾った。そしてヒウリアーノは自信たっぷりに語った−「この出演がきっかけとなり、ニューヨーク大学で俳優・監督学を学ぶ決心をした」。
一方恋人のイベリンは、「怪傑ゾロ:剣とバラ」でスペイン女王役を演じている。
テレビドラマはルーマニア・日本・ブルガリア・スロベニア・スペイン・アルゼンチンなど、すでに100カ国へ配給されている(放送を終了した国もあり)。
こうした状況はリオスに、息子の言葉を思い起こさせた。やはりコロンビアで製作された作品「La viuda de blanco」や「Rauzan」などを手がけた時と似た感触があるからだ。事実、「怪傑ゾロ」収録完了のあかつきには、リオスは各国でのプロモーションに入る予定となっている。
アレハンドロ・デ・ラ・ベガ役が好じ、最近Telemundo/NBCとの3年契約にサイン、プロとしての将来が約束されたところである。
今のところ次の計画は立っていないが、唯一決定しているのは10月末の収録開始。Telemundo が今後展開する新企画としては、「Dona Barbara」・「El Mariachi」・「Mirada de mujer」・「Rauzan」などがある。こうしてTelemundoはソニー同様、映画事業に大きく参入していくことになる。
「このイニシアティブはTelemundo 会長ドン・ブラウン氏の先見の明によるもの。彼は貧しい少女から金持ち男にいたるまで、ラテン人の類まれな可能性に気づいた最初のトップ。ビッグプロジェクトに賭けている」とリオスは言い切る。プエルトリコ映画界の新展に大きな満足感を示し、同社のためには利益を顧みることなく働くつもり、と言い放つ。